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Intel/Micronの3D Xpoint工場を拡張

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IntelとMicron Technologyは、両社合弁の不揮発性メモリ会社であるIM Flashが米国ユタ州レーイにあるIM Flashの工場の内、ビルディング60(B60)の拡張工事を終えたと発表した(参考資料1)。ここは3D Xpointメモリの主力工場である。

図1 IM Flashのユタ工場 出典:IM Flash

図1 IM Flashのユタ工場 出典:IM Flash
http://www.imflash.com/photos


3D Xpoint(スリーディ・クロスポイントと読む)メモリは、CMOS回路を作製した配線層内にメモリアレイ設ける構造の新型メモリ(参考資料2)で、それを使った製品をIntelはOptaneというブランド名を使っている。これは、メモリシステムが単なるメモリチップだけではなく、メモリおよびストレージコントローラ、配線IP、そしてソフトウエアがあって初めて不揮発性メモリデバイスができるからだ。このデバイスはDRAMとNANDフラッシュとの中間のスピードを持ち、パソコンに使うと、NANDフラッシュに比べて電子メールの立ち上げが5.8倍、ブラウザの立ち上げは5倍、それぞれ高速になるという。

Optaneブランドを使った製品は、メモリではOptaneメモリとして16GB、32GBの製品がある。SSD(半導体ディスク)ではOptane SSD DC P4800Xが最初のデータセンタ向け製品で、最近Optane SSD 900P(図2)をデスクトップPCやワークステーション向けに発表した。前者の記録容量は当初375GBだったが最近750GBに拡張した。後者は280GBと480GBの製品を発表した。


図2 Intel Optane SSD 900PのSSD製品 出典:Intel Corp.

図2 Intel Optane SSD 900PのSSD製品 出典:Intel Corp.


IntelとMicronの共同の工場IM Flashは2006年創立で、不揮発性メモリを生産してきた。当初はNANDフラッシュを生産してきたが、2015年に3D Xpointメモリの製造を始めた。NANDフラッシュよりも速い性能を持つことから、CPUに近づけて配置することでコンピュータシステムの高速化を図ることができる。医療機器のMRIを高速にし、ゲーム体験をスムーズに楽しめ、リアルタイムの解析ができるようになるという。今回の工場拡張の式典で、ユタ州の知事のGary Herbert氏もテープカットに参加したとしている。

参考資料
1. Intel and Micron Increases 3D Xpoint Manufacturing Capacity with IM Flash Fab Expansion (2017/11/13)

2. Intel/Micronの新型メモリの正体は? (2015/08/21)

(2017/11/14)

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