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世界の半導体市場、9月は史上最高の売り上げに

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2016年の第3四半期は、前期比11.5%増の883億ドルを示し、回復基調を続けている。これは米半導体工業会SIAがWSTS(世界半導体市場統計)のデータをもとに発表したもの。これを裏付けるかのように、NANDフラッシュが予想以上に回復してきたため、東芝は上方修正をしている。

図1 半導体販売額と成長率の推移 出典:SIAプレスリリース

図1 半導体販売額と成長率の推移 出典:SIAプレスリリース


SIAによると、この数字は過去最高の四半期の売り上げに相当する。9月の移動平均値は、前年同月比3.6%増(図1)、先月比4.2%となっており、回復基調で推移している。1〜9月の累計はまだ正式には出ていないため、前年を超えたかどうかはまた明らかではない。SIAの数字はWSTSの3ヵ月の移動平均値をとっているため、1月と2月の数字に前年の11月と12月の数字を含んでいるからだ。WSTSの数字はまだ8月までしか発表されていない。

少なくとも1〜8月の累計では、2015年が2214億ドル、2016年が2131億ドルと3.5%減になっている。SIAの3ヵ月移動平均値とWSTSの単月の数字からセミコンポータルが見積もると、9月の単独売り上げは327億ドルとなるが、9月までの累計は2458億ドルで2015年よりも2.6%減となる。しかし、マイナスの幅は毎月徐々に減ってきており、これからのクリスマス商戦にかけて勢いを増せば、12月までにプラスに転じる可能性も高い。実際、IC Insightsは、中期予想の2%減から今回1%増へと上方修正している(参考資料1)。7月からの動きを見ていると、10月までの累計が1〜2%減、11月までが0〜1%減として、12月までには0〜1%増となるストーリーはありうる。

特にDRAM、すなわちパソコンとスマートフォンが回復してきており、東芝はNANDフラッシュに加え、パソコンとゲーム機用のHDDも需要が旺盛で売価が想定を上回って維持されたためとしている(参考資料2)。スマホの世界生産台数は、この第3四半期が前四半期の10.4%増となっており(参考資料3)、スマホの回復基調を表している。

参考資料
1. 2016 IC Market Forecast Raised from -2% to +1% (2016/10/19)
2. 業績予想の修正に関するお知らせ (2016/10/31)
3. TrendForce Reports Global Smartphone Volume Reached New High for 2016 in Third Quarter with Sequential Growth at 10.4% (2016/10/19)

(2016/11/02)

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