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日米の半導体製造装置、安定成長へ

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2017年10月における日本製および北米製の半導体製造装置の販売額がそれぞれSEAJ、SEMIから発表された。それによると、日本製は前月比2.8%減(前年同月比は18.3%増)の1545億3100万円、北米製は前月比1.8%減(前年同月比は23.7%増)の20億1700万ドルとなった。

図1 日米半導体製造装置の販売額 出典:SEMI、SEAJ

図1 日米半導体製造装置の販売額 出典:SEMI、SEAJ


日米とも3ヵ月の移動平均値で表されているため、前月比マイナスは実質的には販売額はもっと減少していることになる。とはいえ、まだそれほど心配するような下降傾向ではない。むしろ、高止まりしているとみてよい。

その理由を次のように考察する。2016年の前半まで世界の半導体市場は製造装置市場も含め、マイナス成長を1年間続けてきた。半導体デバイス市場は7月からプラスに代わり、製造装置市場も日本製は9月からプラスに転じたが、北米製は5月からプラスに転じている。昨年の10月時点では前年よりもプラス成長期に入っているため、それ以前のマイナス成長よりも今年の成長率が下がることは極当たり前。これから11月、12月、来年の1月以降も前年の成長率は少しずつ下がっていくことには違いないが、決してマイナスに向かう訳ではない。

その理由は、今の半導体景気をけん引しているメモリ、特にDRAMの単価の値上がりが続いているからだ。これまでの半導体景気では、DRAM生産量はそれほど伸びていないが、単価が大きく伸びたために販売額が大きくなった。そのメモリの単価が先月よりもさらに伸びているのだ。これはむしろ、メモリバブルの様相になっている。現実に、東京エレクトロンによると、受注残がまだ大きいという。さらにアドバンテストもテスターの受注残が大きく、需要に応じきれていないとしている。

半導体製造装置の前月比でのマイナスは、下降局面ではなく、安定局面に入るとみてよいのではないか。ある程度下がって伸び率が一定なれば、バブル的ではなく、安定的に成長するとみてよいだろう。その意味で、半導体産業は、当分好景気が続きそうだ。

(2017/11/24)

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