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7月の世界半導体販売額も史上最高の395億ドル

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SIA(Semiconductor Industry Association)が発表した2018年7月の世界半導体売上額は、前年同月比17.4%増の395億ドルに達しており、今月も過去最高の販売額を示した。この統計は、WSTS(世界半導体市場統計)の集計データをもとに3カ月の移動平均を求め、SIAが毎月発表している(参考資料1)。

Worldwide Semiconductor Revenues

図1 世界半導体メーカーの売上額の推移 出典:WSTS / SIA


移動平均値は、5〜7月の3カ月間の平均値をとっており、先月の販売額(4〜6月の平均)よりも0.4%増え、増加傾向は続いている。地域別では、中国が29.4%増、アメリカ20.7%増、欧州11.7%増、日本11.5%増、中国を除くアジア太平洋5.7%増となっている。中国での半導体販売額が大きく伸びているということは、半導体を使う電子機器が伸びそうだという裏付けになっている。

2017年はメモリが1年間で60%も伸びたが、生産量はほとんど増えず単価が大きく増えたことでメモリバブルが起きた。今年はNANDフラッシュの生産量が上がり単価が値下がりして機器のコストメリットが出てきたため、半導体をけん引するスマートフォンの台数は伸びそうだ。DRAMもようやく単価が下がってきそうなので、DRAMを使う機器の台数も伸びそうだ。メモリは従来のように単価が下がってきたため、それ以上にビット需要が伸び機器の生産量は上がり、半導体メーカー、機器メーカーともハッピーな好景気が来そうだ。

世界の半導体産業の売上額は、今年の前半だけで前年同期比20%を超えたため、7月での17%増はバブルから正常な経済に戻す傾向に向かっているといってよいだろう。今年の半導体産業の伸びを、市場調査会社は夏前に上方修正して15%前後としていたが、この分では15~20%増とさらに上方修正するところが出てくるだろう。2017年はメモリメーカーと、その新設ラインに納める製造装置のメーカーだけがハッピーだった。このメモリバブルから脱出して、正常で着実な成長に戻す時期はもう間もなく、というところまで来ている。

参考資料
1. Global Semiconductor Sales Increase 17.4 Percent Year-to-Year in July (2018/09/04)

(2018/09/07)

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