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中国のIC内製化速度、5年でわずか3ポイント%弱の伸び

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中国は年間1兆円規模の投資を続けて半導体ICの内製化を進めているが、2013年に12.6%の内製化率が5年経った2018年でも15.3%しかに高まらなかった。しかし投資効果が表れ始め、2023年にはCAGR(年平均成長率)15%で20.5%になりそうだ、と市場調査会社のIC Insightsが発表した。

China IC Market vs. IC Production Trends

図1 中国IC市場における中国IC生産の推移 出典:IC Insights


中国市場におけるIC需要は2018年に1550億ドルだったが、中国で生産されたICは238億ドルにとどまった。この数字には、中国の地場企業のSMICや長江ストレージなどに加え、TSMCやIntel、Samsung、SK Hynixなどの生産額も含まれている。特に外国半導体メーカーの工場の生産規模は大きく、例えばSK Hynixの300mm中国工場における生産能力は2018年に月産20万枚の規模に達している。

大連にあるIntelの工場は2010年10月の設立当時はマイコン生産でスタートしたが、現在は3D-NANDフラッシュメモリの工場に代わった。2018年12月におけるフル生産の能力は300mmウェーハで月産7万枚だとしている。

Samsungは2012年はじめに西安にNANDフラッシュの300mm工場を設立、2014年第2四半期に量産を開始した。全投資計画額の70億ドルの内、23億ドルを最初に投資した。3D-NANDを生産開始したのは2017年からで、2018年12月現在の生産能力は10万枚に達している。

中国地場の半導体メーカーは、ファウンドリのSMICと華虹(Huahong)、メモリのスタートアップであるYMTC(長江ストレージ)とCXMT(ChangXin Memory Technologies;旧Innotron)が今後期待されている。DRAMのJHICCは、米国からの制裁により生産を停止している。台湾のFoxconn(鴻海精密工業の中国会社)が中国でのIC生産を発表しており、今後90億ドルを工場に投資する予定になっている。ただし、IC Insightsは2023年になると中国でのIC生産は外国系企業が過半数を超えると見ている。

2023年での中国国内のIC生産額が470億ドルとなり、中国内の需要2290億ドルの20.5%とその比率を高めても、世界の半導体IC市場規模は5714億ドルと大きくなるため、世界的に見た中国生産のICは世界の8.2%にしか達しないことになる。

ちなみに「中国製造2025」の計画では2020年に内製化率40%、2025年に70%となっているが、このレベルには到底追いつきそうもない。

(2019/02/08)

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