セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

2020年第1四半期のNANDフラッシュのトップランキング

|

NANDフラッシュが順調に回復してきている。NANDフラッシュ市場は2020年第1四半期には前四半期比で8.3%の伸びを示した。トップのSamsungは1.1%増に留まり、キオクシアとWestern Digitalがそれぞれ9.7%増、12.1%増と伸ばし、市場シェアをわずかではあるが伸ばした。これは台湾の市場調査会社TrendForceが発表したもの。

表1 2020年第1四半期のNANDフラッシュの上位ランキング

table: 1Q20 Sales Ranking of Branded NAND Flash Makers (Unit: Million USD)


2020年第1四半期におけるビット出荷量は前四半期比とほとんど変わらないため、ASP(平均単価)が上昇した結果だとTrendForceは見ている(参考資料1)。市場規模は136億ドルになる。ASPの上昇は、特にクラウド需要の高まりから、NANDフラッシュからできているSSD(半導体ディスク)需要も高まったため。NANDフラッシュメーカーは在庫が正常に戻っており、ASPは下がらなくなっている。

クラウドの高まりは、自然災害や新型コロナウイルスのようなリスクに対して、ハイブリッドクラウドを使う企業が増えていることによる。大企業は自社内にも社内クラウドを持っていることが多いが、それだけでは社内データセンターに障害が出た際対応できない。このため、自社内コンピュータのオンプレミスに加え、誰でも使えるパブリッククラウドの両方を使うケースが増えている。オンプレミスのコンピュータを持たない中小企業は、AWS(Amazon Web Service)やMicrosoft Azure、Google Cloudなどのパブリッククラウドを二つ以上持つリスクヘッジも配慮し始めている。

クラウドコンピューティングは、コンピュータを物理的に分けるのではなく、仮想的にユーザーごとに分ける仮想化技術を使ったり、最近では仮想的なコンテナ技術を使ったりしており、物理的なコンピュータやストレージはいつでも増やせるようにしている。このためクラウドベンダーはCPUやDRAM、NANDフラッシュ、GPU、AIチップ、FPGAなどを、需要を見ながら増やしていく。このクラウド需要は当分続き、物理的なデータセンターのコンピュータやデータセンターそのものを増設していく需要が伸びていくと見てよいだろう。

新型コロナが一段落し経済が再開されても元の状態に戻るには数年かかると見られているため、当分は「ニューノーマル(新常態あるいは新日常)」になりそうだ。すなわち、リモートで働くビデオストリーミング会議やノートパソコン、ストレージ需要が続くことになる。20年第1四半期にはノートパソコン需要はそれほど増えていなかったが、第2四半期はノートに加えタブレットや企業向けSSDも堅調に伸びるとTrendForceは見ている。したがってNANDフラッシュのASPも第2四半期は上昇気味になるという。

Samsungは、第1四半期は韓国で新型コロナウイルスが急増し、それが収まるのは旧正月以降だろうと見ていた。それまでモバイルストレージの需要は上がらないと見て、ビット出荷を3.3%下げたため、ASPが4%上がっても売り上げが1.1%しか伸びなかった。現在92層の3D-NANDの生産ラインの割り当てを増やしており、年末までには128層へと増強するとしている。これらの需要を受けて、第2四半期には生産量を増やすと見てよい。

SK Hynixは、スマートフォン需要よりもクラウド需要の高まりを予想して前四半期比で12%増のビット需要を見込み、ASPの7%値上がりを含め、販売額は19.8%増を示した。同社も96層ラインへの割り当てを増やし、第2四半期には128層製品の量産を開始する。

キオクシアは第1四半期にビット出荷を3.3%増やし、ASPは6%増えたことで9.7%増の販売額増になった。同社も96層ラインの生産能力を増やしていく。キオクシアと同じ工場で生産するWestern Digitalは、ビット出荷を7%増やしASPも5%増えたことで12.1%増の結果を出した。

Micronは利益の確保という点でNANDフラッシュへの割り当てを抑え、ビット出荷量を減らしたため、ASPが10%上がっても販売額は6.47%増に留まった。同社はノートパソコン向けのSSDに力を入れていたため、出荷量を減らしたが、今後はその方針を変えていくことになる。

データセンター向けSSDを強化しているIntelは、ASPが20%値上がりしたが、残念ながら生産能力が足りなかったため、10%増のビット需要に追い付かず、販売額は9.9%増に留まった。今年中に96層へのライン切り替えを行い、144層のサンプル出荷を目指す。21年の量産をもくろむ。

参考資料
1. NAND Flash Revenue Undergoes 8.3% QoQ Growth in 1Q20 in Light of Surging Demand from Data Centers, Says TrendForce (2020/5/25)

(2020/05/29)

月別アーカイブ

セミコンポータルはこんなサービスを提供します