2025年9月 1日
|長見晃の海外トピックス
インテルへの米国政府の投資について、バイデン前政権のCHIPS法助成を充てる一方、経営への介入の可能性も考えられて、各社でも賛否両論渦巻く様相である。前政権のやり方を停止して、新たなトランプ政権の方向&方式転換があらわされ、米国での半導体製造に向けた支援を受けられそうな各社も、及び腰気味の反応がうかがえている。インテルと政府との取引は、最初の助成が支給された一方、全容は依然調整中とされている。続く各社との動きおよび決着の具合に注目するところである。もう1つ、Nvidiaの直近四半期業績が発表され、AI需要による圧倒的に好調な内容ながら、先行きにはいろいろな受け取りである。新技術&新製品の発表にも、大いに注目である。
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2025年8月26日
|泉谷渉の視点
EVブームのトーンダウンにより、パワー半導体は一時的な減速を余儀なくされている。SiCパワー半導体で世界トップシェアを狙うロームは、売上額がかなり後退しているのだ。インテリジェントパワーモジュールで世界トップシェアの三菱電機もそれほど伸びは良くない。ただ、トヨタ向けのパワー半導体を作る富士電機は堅調に伸びてきており、SiCシフトを強めるために青森津軽工場の拡張に走っている。
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2025年8月25日
|長見晃の海外トピックス
再建立て直しを図っているインテルへの米国政府の出資が検討されるまでに至っていたが、バイデン前政権にてCHIPS and Science Actに基づいて同社に向けて決められていた割り当てと引き換えに同社の株式を取得する、と週末に発表されている。出資比率は9.9%になるとのことである。さらに、ソフトバンクから$2 billionの出資が発表され、傘下のArmによるAI(人工知能)半導体設計についてインテルによる製造が取り沙汰されている。AI半導体については、Nvidiaによる中国向け仕様品を中国側が拒絶する動きが見られて、また新たな米中せめぎ合いの様相となっているとともに、Nvidiaが間に入って一層揉まれる展開が見られている。
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2025年8月22日
|山田周平の中国・台湾レポート
中国共産党・政府が半導体産業の振興策の見直しを進めている。共産党が2025年10月にまとめる5カ年計画の草案に盛り込まれ、来春の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で採択される見通しだ。12年に発足した習近平指導部の半導体振興策は従来、意欲的な数値目標を掲げるなど強気ぶりが目立っていたが、今回はサプライチェーン(供給網)の強靭性を重視した現実路線にかじを切る可能性がある。
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2025年8月19日
|服部毅のエンジニア論点
Appleは、8月6日に、半導体サプライチェーンおよび先進的な製造業の米国本土回帰のための今後4年間の投資額を当初の5000億ドルから1000億ドル引き上げ6000億ドル(約88兆円)とする計画を発表した(参考資料1)。同社は「Appleアメリカ製造プログラム」を発足させ、今回の1000億ドルの追加投資では新たに以下の10社と協力関係を新規ならびに拡大する取り組みも含まれているとする。
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2025年8月18日
|長見晃の海外トピックス
トランプ大統領および米政権関連の動きが、半導体業界にもインパクトを与えている現下&直近の週である。インテルのリップ・ブー・タンCEOについて、軍と関係のある中国企業との関係を問われた件で、トランプ大統領が同CEOに辞任を迫ったが、今週早々両者の会談が行われた結果、修復が行われた模様で、インテルへの米国政府の出資が検討されるまでに至っている。もう1つ、AI半導体の中国向け販売について、NVIDIAとAMDに対して輸出ライセンスと引き換えに売上げの15%を米国政府に支払うことで合意したことが確認されている。巨大な中国市場が開ける方がこの条件でもメリットが大きいという判断とされている。当面目が離せないやりとりとなっている。
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2025年8月12日
|長見晃の海外トピックス
米国・Semiconductor Industry Association(SIA)より6月そして4−6月四半期の世界半導体販売高が発表され、6月は、3月以降4ヶ月連続の前月比増とともに月次最高を更新、$59.9 billionと大台に迫っている。AI(人工知能)関連需要が大きく牽引する見え方であるが、今後の推移に引き続き注視を要するところである。加えて、米国政府、トランプ大統領の相互関税、そして分野別の半導体関税の一連の動きが、AI半導体輸出はじめ米中摩擦関連と相まって、先行きの見通しに向けて不安定性要因となっている。地政学インパクトに揺れる情勢とともに、世界各国・地域それぞれの対応&動きについて、半導体業界の視点からも推移に目が離せない現時点である。
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2025年8月 7日
|服部毅のエンジニア論点
去る7月17日に開催されたTSMCの2025年第2四半期決算説明会(中国語の名称は、「積電公司法人説明會」)(参考資料1)において、同社の会長兼最高経営責任者(CEO)のC.C.ウェイ(魏哲家)氏が、TSMCのグローバル製造拠点および最先端技術ノードの最新情報について詳細に説明した(参考資料2)。その後、ウェイ会長は、世界中の著名銀行・証券会社のアナリストの質問に答えたので(図1)、その模様を実況し、同社の戦略を探ることにしよう。
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2025年8月 6日
|津田建二の取材手帳
2025年の後半はどうなるか。AIデータセンターばかりが好調で、それ以外の分野はまだ回復していないのが実感のようだ。AIデータセンター向けの仕事をしている企業からは好調さが伝わっている。AIデータセンターの先にあるものは一体に何か?セミコンポータルのSPIマーケットセミナー「2025年後半から1年の世界半導体市場(8/26オンライン)」ではそれを議論する。
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2025年8月 4日
|長見晃の海外トピックス
AI(人工知能)関連需要が非常に大きく引っ張る現下の半導体市場であり、中核のプロセッサのNvidia、それを製造するTSMC、そしてHBM(高帯域幅メモリ)をリードするSK Hynixなど限られたサプライヤにどうしても注目させられている。パソコン、スマホはじめ従来の応用分野のもと、長年にわたってサプライヤランキング首位のインテル、および近年メモリ活況でインテルに代わって首位になったこともあるSamsungは、現時点の動き&状況はどうか。
両社ともに、最先端微細化のファウンドリー対応で、圧倒的にリードするTSMCに対抗すべく、立て直しを図っている現時点でもある。この側面での現下の状況に、業界各紙の関連する内容から以下アプローチしている。
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