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トランプ氏に同調し英仏も華為排除〜日本企業に5G基地局の協力要請

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新型コロナウイルスの世界的な蔓延はとどまるところを知らない。一旦は収まったかに見えた日本国内も、すさまじい再拡大の流れが出てきている。これを背景に、日本政府は企業に対してテレワーク強化の再要請を出している。

筆者が勤務する産業タイムズ社においても、この政府要請に先立ち、週あたり3日間のテレワーク勤務をひたすらやるべし、との結論に達した。半導体には滅法強い筆者であるが、ITオペレーションにはカラキシ弱い輩であるからして、結構苦戦しているのである。しかしこれもまた新たな時代の始まりと認識し、かつ遅れている我が国のIoTが進展することを祈りながら、テレワークに慣れ親しんでいく考えを固めているのだ。

それはさておき、相変わらず吠えまくりの米国トランプ大統領は、コロナ禍を契機に中国に対する攻勢を強めている(編集室注1)。もはや新たな冷戦が始まったと言ってよいだろう。何しろテキサス州ヒューストンにある中国総領事館を閉鎖しろ、というあり得ない対抗措置をとったのだ。これに対して、中国も負けてはいない。四川省成都にある米国の総領事館を直ちに撤退しろ、と通知した。国交関係が正式に樹立されている米中の間でこうした措置が繰り返されれば、事実上もはや戦争状態に突入したことになる。米中の間にあって、いつも忖度ばかりを繰り返す安倍晋三首相は、毎日頭を痛めておられるに違いない。

ところで、中国の華為(ファーウェイ)排除については、米国は徹底的にやっている。これに続いて英国政府もファーウェイ排除の方針を決めて、2027年までに5Gの通信ネットワークからファーウェイをすべて排除するというのだ。これに続いてフランス政府も5Gについてファーウェイ製品を2028年までにすべて排除する意向を固めている。ドイツだけはさすがに主力産業の自動車のビッグユーザーである中国に対してはここまで思い切ったことを言えないようであるが、政府部内にはファーウェイ排除を声高に言う人たちも増えているという。まさに巨大帝国にのし上がった中国vs米国+欧州の大国というバトルに突入している。

そこで重要なことは、英国政府が日本政府に対し5Gの通信ネットワーク作りで協力を求めたことである。つまりは、ファーウェイに代わる調達先としてNECや富士通による支援を要望したのだ(編集室注2)。5Gの基地局市場はファーウェイが断トツであり、エリクソン、ノキアを入れた世界3強が8割のシェアを握っている。NECと富士通は1%にも満たない。しかしこうした流れがあれば、フランス政府からも日本企業に要請が来ることが考えられる。5Gについては遅れをとったと言われる日本であるが、今後、NTTを大黒柱に立ててNEC、富士通をはじめとする日本の通信企業が世界ステージに出ていくチャンスがやってきたわけだ。

ちなみに、データセンターのコストの中で一番大きいのがサーバーであり約35%を占めている。次いで大きいのがストレージでありこれも25%を占める重要な分野だ。何のことはない。データセンターの中で一番大きな存在はCPU、GPU、DRAM、NANDフラッシュメモリー、さらには各種アナログ、マイコン、パワーデバイスなどの半導体なのである。日本の半導体企業もNECや富士通の5Gでの巻き返しに乗じて、この最大追い風を活かさない手はない、と言えるだろう。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

編集室注
1. 米国は2001年の9.11同時多発テロ以来、DoD(国防総省)やDoE(エネルギー省)以外に、DHS(国土安全保障省:Department of Homeland Security)を創設した。中国に対する貿易摩擦を仕掛けたのは確かにトランプ政権だが、中国の軍事大国化に対してはトランプ大統領以前からDHSも警戒感を強くしてきた。このため11月の選挙で大統領が変わっても、国家の安全保障に関する限り、中国に対する態度は変わらないだろうと編集室は見ている。

2. 英国政府が5Gで日本政府に協力を要請するようになったのは、コア基地局でのシステム仕様がオープン化されようとしているからだ。これまでは、専用のハードウエアと専用のソフトウエアでコア基地局のシステムが構成されていたが、ハードウエアを汎用化し、データ処理をソフトウエアで差別化あるいはカスタマイズする新システムに変わろうとしている。従来は各国の通信オペレータごとにコア基地局の仕様が異なり、対処しなければならなかった。グローバル化が遅れている日本の通信機器メーカーはとても世界中の国ごとの対応はできなかった。
しかし、これからの第2世代の5Gシステムでは、システムの制御部分を汎用ハード化、データ部分をソフトウエア化し、さらにインターフェイスをオープン規格にすることで、NEC、富士通などが設計・製造する通信装置でも、日本だけではなく世界中の基地局に入れることができるようになる。これから本格化する5Gの基地局向けにO-RAN(Open Radio Access Network)と呼ばれる規格が作られようとしており、NTTドコモと後発のNECや富士通にもチャンスが巡ってきたのである。

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