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半導体製造装置市場、20年は6%成長、21年は700億ドル突破へ

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2021年の半導体製造装置市場は、今年の632億ドルに続き、700億ドルに達しそうだ。このような予測をSEMIが発表した。今年の数字でさえ、前年比6%増であるが、さらに7兆円を突破する2桁成長になると見ている。

SEMI(R) Mid-Year Total Equipment Forecast by Region

図1 SEMIが予測する半導体製造装置市場 出典:SEMI


図1にあるように地域別では、中国が2020年に最高額に達する見込みだ。中でも今、半導体事業を強化しつつある中国は、20年、21年共に地域別で最高の投資金額で、装置は強い成長を示している。投資額では2番目に大きい台湾は2019年に68%増という極めて大きな設備投資を行ったため、20年はやや少ない数字ではあるが、21年には再び前年比10%増になり装置は2桁成長に回復すると見ている。2020年に3番目に大きな投資金額である韓国は20年に同12.4%増の123億ドルを投資し、21年に装置はさらに同30%成長が期待されている。

ここでの半導体製造装置市場はほぼ三つに分けられる。最も金額の多いウェーハ処理装置・設備やマスク・レチクル装置の前工程市場と、組立・パッケージング市場、そしてテスト市場である。この内、前工程市場は、2020年に5%成長、21年には13%と2桁成長が期待される。この市場の設備投資をけん引するのはメモリ投資の回復と先端プロセス、そして中国だと見込む。ファウンドリとロジック市場へのウェーハプロセス投資は、前工程の約半分を占めている。メモリではDRAMとNANDフラッシュが20年には前年の投資額を超え、21年には装置は20%成長が見込まれている。

また組立・パッケージング装置は、20年に前年比10%増の32億ドル、21年には8%増の34億ドルが見込まれている。これは先端パッケージング向けの装置の生産能力向上によるもの。半導体テスター市場は、20年に13%増の57億ドルに達し、21年は5G向け半導体テスターがけん引しさらに成長すると見込まれている。

これら三つの市場の内、半導体デバイス市場と直結するのはテスター市場。メモリやロジックのウェーハテストでは、既存の設備で作られたウェーハや実装済みの半導体デバイスをテストするため、半導体製造装置市場よりも早く求められ、半導体デバイス市場とほぼ同じ割合で成長する。このため、テスター市場の行方は、ウェーハプロセスや後工程設備投資の先行指標としても使われることが多い。

参考資料
1. Chip Manufacturing Equipment Spending to Hit Record High $70 Billion in 2021 After Strong 2020, SEMI Reports (2020/07/21)

(2020/07/22)

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