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台湾ファブレス急伸、直近の世界ファブレストップ10ランキング

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2021年第1四半期における世界のファブレス半導体ランキングを市場調査会社TrendForceが発表した。1位のQualcommは前年同期比53.2%増の62.8億ドルとトップを維持したが、2位にはNvidiaが入り同75.6%増の成長、51.7億ドルに達した。Broadcomは同18.8%増と20%弱の成長の44.9億ドルを売り上げても3位に落ちた。ファブレスの勢いはファウンドリを超える(参考資料12)。

表1 ファブレス半導体のトップテンランキング 単位は百万ドル 出典:TrendForce

Table1: Revenue Ranking of Top 10 IC Design Companies, 1Q21 (Unit: Million USD)


上位10社合計で同52%増の269.5億ドルとファブレス半導体は大きく伸びた。これに対して、ファウンドリの伸びももちろん大きいが、ファウンドリ上位10社合計では227.5億ドルの同20.6%増となっている。これまではファウンドリの方が売上額は大きかったが、今回はファブレスの方が伸び、金額とも大きく増えた。

上位10社の内、最も伸び率が大きかったのはAMDの92.9%増と2倍近く、その売上額は34.5億ドルとなった。在宅需要でパソコンやサーバーが大きく伸びたことで潤った。反面、Intelはデータセンター需要をAMDに奪われた格好になっている。

上位10社の内、英国のDialog(ルネサスエレクトロニクスが買収する予定)を除き、全て米国と台湾のメーカーである。台湾はファウンドリだけではなくファブレスも強く、88.4%も伸びたMediaTekだけではなく、Novatek、Realtekの台湾勢も50%以上の伸びを示した。Novatekは同59.4%増の8.9億ドルを売り上げ、米国のXilinxとMarvellを抜き6位に浮上した。同じ台湾のTSMCやUMC、VISとも良好なパートナー関係を続けており、半導体不足でも安定供給可能な状態になっている。

インドにおける変異ウイルスのため、インド市場向けの中国製スマートフォンの需要減退が懸念されるものの、少なくとも21年第3四半期はスマホ用チップ価格が安定し、市場の需要も強いなどのことから今後も台湾ファブレスはそれほど大きな影響を受けない、とTrendForceは見ている。

参考資料
1. ファウンドリランキング;TSMCの独占が進むビジネスに (2021/02/26)
2. 直近の世界ファウンドリトップ10社ランキング、パワーチップが躍進 (2021/06/02)
3. 2020年のファブレス半導体ランキング、トップ10社は26%成長 (2021/03/26)

(2021/06/11)

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