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2022年の世界の半導体市場は16%成長の6465億ドル(84兆円)へ

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WSTS(世界半導体市場統計)は、2022年の世界半導体市場は前年比16.3%増の6465億ドル(約84兆円)になる、という予測を発表した。半年前は8.8%成長と見ていたため大幅な上方修正である。図1にある通り、2017年から半導体市場は急速に立ち上がり、1986年から2016年までのほぼリニアな伸びだったが、それ以降指数関数的な成長に変わっている。

世界の半導体市場は2017年ごろから半導体の伸びが著しい /  WSTSの数字をセミコンポータルがグラフ化

図1 2017年ごろから半導体の伸びが著しい 出典: WSTSの数字をセミコンポータルがグラフ化


グラフから見られるように、半導体製品は2017年ごろから急激に伸びている。しかも2017年に初めて4000億ドルを突破して、2020年までの4年間4000億ドル台が続いたが、2021年に初めて5000億ドル台に突入したが、わずか1年で2022年には軽く6000億ドルを突破することになりそうだ。WSTSは2023年も6000億ドル台の6797億ドルと予想しているが、7000億ドル突破もそう遠くなさそうだ。

半導体ICだけなら18.2%成長となっており(表1)、ディスクリートや光関係、MEMS関係のデバイスよりも伸びが大きい。ICの中でも最も伸びが大きいな製品はロジックで20.8%、次がアナログの19.2%、メモリは18.7%、最も低いのがマイクロプロセッサとマイクロコントローラ(マイコン)のマイクロの11.4%となっている。


表1 製品別の2022年、2023年の予想 出典:WSTS

表1 製品別の2022年、2023年の予想 出典:WSTS


ただし、WSTSの分類におけるロジックとは、スマートフォンや携帯電話のアプリケーションプロセッサ(モバイルプロセッサ)も含めており、むしろマイクロに近い分類のはずなので、注意する必要がある。つまり、スマホ向けのプロセッサは伸び気味だが、コンピュータ向けとマイコンは伸びが緩いという見方になってしまう。

ほぼ同じころ、市場調査会社のIDCからも2022年の半導体市場の予測が発表されたが(参考資料1)、それによると前年比13.7%増の6610億ドルとなっている。また、先月、同業のGartnerが予測した22年の世界市場も13.6%増の6760億ドルと見積もっている(参考資料2)。これらの市場調査会社がカバーする半導体メーカーの数は、WSTSも含めて各社各様なので、少しずつ数値は異なっている。このため有効数字はそれほど高くないとみるべきであり、正確な数字ではないことに注意する必要がある。

参考資料
1. Worldwide Semiconductor Revenue to Grow 13.7%, but Supply Chain Remains Selectively Challenging amidst Global Economic Volatility, according to IDC", IDC (2022/06/07)
2. 「ガートナーが見る今年と2026年までの半導体市場」、セミコンポータル (2022/05/18)
3. 「2021年12月の半導体製造装置販売額は大きな2桁成長、22年も好調に」、セミコンポータル (2022/01/26)

(2022/06/10)

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