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11月に入り急激に落ち込んだ世界半導体市場、でも18年のバブル期よりも上

11月になって初めて、世界の半導体販売額は急激に落ち込んだ。1月9日にSIA(米半導体工業会)が発表した、2022年11月における世界の半導体販売額は、前年同月比で9.2%減と大きく低下した。この数字は3カ月の移動平均値なので、過去2か月分を引きずっており、未来を予測するのには不適切。そこで11月単月でWSTSの数字を見てみると、さらに大きな17.8%減となっている。

2019年1月から2022年11月の世界半導体販売額の前年比と前年差

図1 世界半導体販売額の前年比と前年差


SIAのデータはWSTS(世界半導体市場統計)の数字を3カ月の移動平均値で表したものだが、これまではSIAの発表時点ではWSTSの生データはウェブサイトに掲載されていなかった。しかし今回はSIAの発表と同時に掲載されたため、単月の数字を取り出すことができた。これによると、11月は前年同月比では17.8%減の430.48億ドルだが、前月比では2.2%減に留まっている。

今回の11月の落ち込みは、これまでに比べ大きい。2022年6月までは前年同月比はプラス成長をしていたが、7月になり同2%減となった。8月も同4%減、9月には2%減とわずかなマイナス成長だった。ところが、10月には同7%減となり、11月には17.8%減と急落した。

これに対して3カ月の移動平均で表すと、11月は前年同月比9.2%減の455億ドルであり、前月比では2.9%減にとどまっている。これでは平均化されて大きな落ち込みがよく見えない。

ただ、これだけ見ていると、半導体市場が山と谷を繰り返すシリコンサイクルは変わらない。2023年は谷になる年ではあるが、その前の山のピークだった2018年11月の販売額397.05億ドルよりは8%高い。つまり、半導体産業は山谷のシリコンサイクルを繰り返すものの、成長していくサイクルだと言える。

この先はどうか。11月は谷の入り口であり、在庫がたまっている現状ではこれがきれいになるまで待たなくてはならない。アナリストによって異なるが、今年の中ごろから第3四半期ごろまで続くとみる市場調査会社が多い。

参考資料
1. "Global Semiconductor Sales Decrease 2.9% Month-to-Month in November", SIA (2023/01/09)
2. 「半導体市場急落の兆し、要注意へ」、セミコンポータル (2022/07/05)

(2023/01/13)
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