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2024年世界半導体企業ランキング、トップはやはりNvidiaの1305億ドル

2024年世界半導体企業ランキングをセミコンポータルが独自に調べた。1位はダントツでNvidia、2位はTSMC、3位Samsungとなっており、Nvidiaの強さが目立つ。この調査は、各社の2024年第4四半期の決算が発表され、同時に2024年通期の決算も明らかになったことで集めたもの。Nvidiaは2月〜翌年1月が年度となるため、Nvidiaの年度決算発表を待って作成した。

2024年売上(億ドル) / 各社の決算発表をセミコンポータルがまとめた

図1 2024年の世界半導体企業ランキング 出典:各社の決算発表をセミコンポータルがまとめた


ここでは、年度とカレンダー年が一致している企業はそのまま、NvidiaやMicron(9月〜翌8月)のようにカレンダー年と採用しない企業はできるだけ1〜12月期に近い四半期ベースの決算を採用した。例えば、Micronは、12月〜翌11月の四半期決算を利用した。各社とも四半期ごとの決算を公表しているため、1〜12月に近い決算形式を選択した。日本のように決算期が完全に四半期分ずれている企業は1〜12月に換算した。

Nvidiaは売上額が1305億ドルと1位だが、半導体チップだけではなく、HBM(High Bandwidth Memory)をSK hynixなどから購入してボードを作製しているため、モジュールボードとして販売していることになる。まだDGXコンピュータそのものも販売している。半導体チップだけの販売額は、問い合わせても回答はない。

2位のTSMCの売上額は901億ドルで、これも過去最高額だ。ファウンドリとしてのシェアは6割を超えており、ファウンドリ企業の中ではトップである。ラピダスはこのシェアをどの程度崩せるか、またファウンドリ2位のSamsung、3位のSMICなどとどう戦っていけるのか、戦略はまだ明らかになっていない。

3位のSamsungは764億ドルである。Samsungの決算報告では、メモリ部門とその他となっているため、ファウンドリ部門がどの程度なのか、推測の域を得ない。このためSamsungの売上額もファウンドリを含めた全てとしている。4位のIntelは531億ドルだが、今の所、低下傾向に歯止めがかかっていない。

5位のSK hynixは455億ドルと過去最高額で、特にHBMメモリの大躍進で売り上げが大きく伸びた。HBMはDRAMを複数枚積み重ねた3D-ICであり、コストはかかるもののHBMの初期の時代から丁寧に作り込んできた実績が他社からの追随を許さない。

6位以下では、時価総額でTSMCと争っているBroadcomが注目株だ。同社はファブレス半導体部門とデータセンター用のソフトウエアにきっちりと分かれており、半導体部門だけの売上額を拾った。半導体部門だけでMicronとQualcommの間に入る301億ドルを稼いでいる。最近伸びている理由は、GoogleやMetaなどインターネットサービス業者から独自チップの設計を請け負っているからだ。特にデータセンター向けの用途で伸びている。

また、ちなみに日本企業は1〜12月に換算して、ソニーセミコンダクタソリューションズが1兆7885億円、キオクシアは1兆6815億円、ルネサスエレクトロニクスは1兆3485億円という結果だった。ただ、あまりの円安すぎたため、1ドル=150円で換算するとそれぞれ、119億ドル、112億ドル、90億ドルになり、14位のNXPにも届かない。もし円高になり1ドル=100円なら(米国では今でもこの感覚)、それぞれ、178.85億ドル、168.15億ドル、134.85億ドルとなり、10位のMediaTekに代わり、ソニーが10位にランクインすることになる。円安は日本企業を安く見ていることがよくわかる。

(2025/03/11)
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