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2025年第1四半期の世界半導体ランキング

最新の世界半導体企業ランキングが発表された。それによると1位のNvidiaは決算発表直後の数字で、”ダントツ”の441億ドルである。2位のSamsungは173億ドル、3位のBroadcomが149億ドル、4位はIntelで127億ドルとなっている。これは市場調査会社のSemiconductor Intelligenceが発表したものだが、ソニーの半導体など抜けもある。

Change versus prior quarter in local currency / Semiconductor Intelligence

図1 最新2025年第1四半期における世界半導体ランキング 出典:Semiconductor Intelligence


このランキングは決算発表の数字をベースにしているが、企業によっては変則的な決算期があるため、2025年の第1四半期といってもできる限り1〜3月期に近い決算期の数字を拾っている。また、Broadcomは大きく分けてファブレス半導体部門とデータセンター向けソフトウエア部門があり、後者の売上も含めている。ファウンドリのTSMCを除いているのは、半導体の市場規模を求める市場調査会社と同様、ファウンドリの売上はファウンドリの顧客のコストとして計上されるため、半導体市場を二重に数えるからだ。

日本の視点で見ると、ソニーの半導体部門である、ソニーセミコンダクタソリューションズ(ソニーSS)が抜けているが、これは同社の決算報告書にソニーSSが掲載されていないためだ。決算書のセグメント別業績の中の「イメージング&センシング・ソリューションズ(I&SS)」という部門が実は半導体のソニーSSである。ソニーの半導体部門は、CMOSセンサとその周辺用ICが絶対的に強いためだろうと推察する。

ソニーSSの2025年1〜3月期(2024年度第4四半期)の売上額は、4090億円となり、1ドル=144円としてドルに換算すると、28億ドルとなる。12位のNXP Semiconductorとほぼ並ぶ売り上げとなり、日本企業としてトップになる。もし物価の肌感覚としての1ドル=100円ならTIと10位を争うことになる。

世界の半導体市場全体から見ると、次四半期もはやりNvidiaがやはりトップだろう。中国への輸出が事実上禁止となりその分を在庫分として計上しているが、それでも来期の売上見込みはプラス成長を見込んでいるからだ。

参考資料
1. 「24年第3四半期の世界半導体企業トップ16ランキング」、セミコンポータル、(2024/11/26)

(2025/06/10)
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