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2018年の世界半導体は16%成長へ、WSTSが予測

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2018年の世界半導体市場の成長率は、15.9%になる見込みだとWSTS(世界半導体市場統計)が発表した。今年も二けた成長を維持しそうだ。製品別では、今年も前半まではメモリバブルの状況が続き、33.2%増と市場全体をけん引した。メモリ、特にDRAM単価の値上がりにより半導体売上額全体に占めるメモリの割合は34.5%にまで跳ね上がった。

図1 世界半導体市場は2019年4779億ドル 今年もメモリが高成長 出典:WSTS

図1 世界半導体市場は2019年4779億ドル 今年もメモリが高成長 出典:WSTS


半導体市場の規模は2018年には4779億3600万ドルに達しそうだ。2016年まで半導体全体に対するメモリの比率は23%前後で推移していたが、この2年間のメモリバブルの影響によって2017年には30.1%にはね上がり、今年は34.5%にまで高まった。金額ベースでは前年の1239億7400万ドルから1651億1000万ドルとなっている。

WSTSはメモリの内訳を会員外に公表していないため、DRAMとNANDフラッシュそれぞれの成長率はわからないが、NANDフラッシュは2018年初から単価の値下がりが始まっていたのに対して、DRAMの単価はこの10月になってようやく下がり始めたところだ。このため、DRAMの成長率の方が高く、NANDフラッシュの成長率はそれほど高くはなさそうだ。ちなみに2017年のDRAMは75%成長、NANDフラッシュは45%成長だった。メモリ平均で60%成長となっていた。


図2 ディスクリート半導体もメモリの次に高成長 出典:WSTS

図2 ディスクリート半導体もメモリの次に高成長 出典:WSTS


メモリの次に成長率が高いのは、ディスクリート半導体の241億9400万ドルで11.7%となっている。ディスクリートの内の7~8割がパワートランジスタと言われており、パワーMOSFETやIGBTなどが伸びているとみられる。ただし、ディスクリート半導体の市場規模は全半導体の内の5%しかないため、半導体産業に対する影響は少ない。ディスクリートの次がイメージセンサやLED、レーザーなどのオプトエレクトロニクスの387億1500万ドル、その次がアナログICの10.8%成長であり、その金額は588億300万ドルとなっている。

製品の市場規模では2016年まではロジックが最も大きかったが、2017年にメモリに抜かれ、2018年は7.3%増の1096億7200万ドルとなっている。

来年は半導体市場全体で2.6%増の4901億4200万ドルとみており、このうちICは2.0%増の4095億5300万ドルと予測している。特にメモリは完全にバブルがはじけ、0.3%減と若干減少すると見ている。だからといって即、不況という訳ではないだろう。むしろ健全な数%成長に戻るだろう。というのは、これからがIoTやAIチップなどが本格的に登場してくるからだ。加えて、メモリ単価の値上がりでデバイスも一緒に値上げして伸びなくなったスマホやパソコンは、単価の値下がりによってこれから成長しやすくなる。

(2018/11/29)

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