セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

セミコンジャパン開幕、IoTパビリオン充実

|

セミコンジャパン2016が始まった。今年の出展社数は757社/団体で、昨年よりも24社・団体多い。出展小間数も1748小間と前年よりも43小間増加した。来場者は昨年の6万378人よりも多い6万5000人を見込んでいる。

図1 開幕したセミコンジャパン2016

図1 開幕したセミコンジャパン2016


今年の半導体産業は後半、順調に回復していた。10月の半導体販売額はWSTSによると、過去最高だった2014年の290億1386万ドルを超え、史上最高の304億2759万ドルに達している。この結果、今年の半導体販売額は昨年とほぼ同じレベルまで回復するとみられている。半導体製造装置市場はプラス成長で、9%増の396億9000万ドルになる見込みだ。

今年の売りは、定着したIoTパビリオンだ。2年前だと、セミコンジャパンに製造装置や部材、材料などが並んでいる中に、M2MやBluetooth Meshなどのデモがあるだけで、IoTパビリオンは「浮いた」感じがしていたが、今年は違う。装置を使ってIoTデバイスを作るのに必要なファウンドリビジネスを三重富士通セミコンダクターが紹介し、日立製作所はIoTシステムを展示、IBMはIoTデータを解析するためのAIマシンである「ワトソン」のデモなどに加え、NvidiaもAI学習アルゴリズムや学習を実行するGPU、さらにAnalog DevicesはIoT部門を作り、出展しただけではなく、16日にはアイルランドから演者が来日し講演する。村田製作所はIoT端末モジュールを展示しており、IoTセンサ端末ではムラタはブランド力は大きいようだ。トヨタも出展している。これらの顔ぶれを見ると、少なくともハードウエアレベルではIoTのサプライチェーンが出そろっていると言えそうだ。

半導体製造装置市場が伸びているのは、ファウンドリの10nmから7nm、5nmへの開発投資が動いているからだ。特に、微細化と同時に、3D NANDやFinFETのような3次元プロセスも勢いづくことで、製造装置が伸びている、とTSMCのCTO(チーフテクノロジーオフィサー)であるJack Sun氏は説明している。

また、IHSの主席アナリストである南川明氏は、「2016年は、5nm投資や3D NANDがことのほか伸びた。2017年はマクロ経済的にも伸びが期待され、来年の半導体はプラス成長だろう」とセミコンポータルとのビデオインタビューで語っている。

(2016/12/14)

月別アーカイブ